光学/干渉計 関連

光学/干渉計 関連

レンズの図中にある記号の説明

f (Effective Focal Length): (有効)焦点距離
F.f (Front Focal Length): フロントフォーカス
B.f (Back Focal Length): バックフォーカス
P (Primary Principal Point): 前側主点(第一主点)
P (Secondary Principal Point): 後側主点(第二主点)
t1 (Edge Thickness): コバ厚
t2 (Center Thickness): 中心厚
R1 (Radius of Curvature): 第一面の曲率半径
R2 (Radius of Curvature): 第二面の曲率半径

光学ガラスの諸特性

(※)@589.3nm ( ☆)複屈折材料。数値はC軸に平行な場合  (★)使用上限温度
機材名 屈折率nd アッベ数Vd 比重ρ(g/cm3) 熱膨張係数α(×10-6/°C) 転移点T(°C)
フッ化カルシウム(CaF2) 1.434 95.10 3.18 18.85 800★
合成石英 1.458 67.70 2.20 0.55 1000★
ボロフロートTM 1.472 56.70 2.20 3.25 450★
パイレックスR7740 1.474(※) 65.4(※) 2.23 3.20 490★
N-BK7 1.517 64.20 2.46 7.10 557
N-K5 1.522 59.50 2.59 8.20 546
B270/S1 1.523 58.50 2.55 8.20 533
セロデュアR 1.542 56.20 2.53 0.05 600★
N-SK11 1.564 60.80 3.08 6.50 604
N-BaK4 1.569 56.10 3.1 7.00 555
N-BaK1 1.573 57.55 3.19 7.60 592
L-BAL35 1.589 61.15 2.82 6.60 489
N-SK14 1.603 60.60 3.44 7.30 649
N-SSK8 1.618 49.80 3.33 7.10 598
N-F2 1.620 36.40 3.61 8.20 438
BaSF1 1.626 38.96 3.66 8.50 493
N-SF2 1.648 33.90 3.86 8.40 441
N-LaK22 1.651 55.89 3.73 6.60 689
S-BaH11 1.667 48.30 3.76 6.80 575
N-BaF10 1.670 47.20 3.76 6.80 580
N-SF5 1.673 32.30 4.07 8.20 425
N-SF8 1.689 31.20 4.22 8.20 422
N-LaK14 1.697 55.41 3.63 5.50 661
N-SF15 1.699 30.20 2.92 8.04 580
N-BaSF64 1.704 39.38 3.20 9.28 582
N-LaK8 1.713 53.83 3.75 5.60 643
N-SF18 1.722 29.30 4.49 8.10 422
N-SF10 1.728 28.40 4.28 7.50 454
S-TIM13 1.741 27.80 3.10 8.30 573
N-SF14 1.762 26.50 4.54 6.60 478
サファイア☆ 1.768 72.20 3.97 5.30 2000★
N-SF11 1.785 25.80 5.41 6.20 503
N-SF56 1.785 26.10 3.28 8.70 592
N-LaSF44 1.803 46.40 4.46 6.20 666
N-SF6 1.805 25.39 3.37 9.00 605
N-SF57 1.847 23.80 5.51 8.30 414
N-LaSF9 1.850 32.20 4.44 7.40 698
N-SF66 1.923 20.88 4.00 5.90 710
S-LAH79 2.003 28.30 5.23 6.00 699
ジンクセレン(ZnSe) 2.403 N/A 5.27 7.10 250★
シリコン(Si) 3.422 N/A 2.33 2.55 1500★
ゲルマニウム(Ge) 4.003 N/A 5.33 6.10 100★
 
 
(*)屈折率(Index of Refraction, nd)及びアッベ数(Abbe Number, Vd)は、ヘリウム光源の出す黄色スペクトル線であるd線(587.6nm)を光学の基準波長とし、基準波長における諸特性を記載しています。定義は次の通りです。
なおアッベ数の係数であるnCやnFは、水素のスペクトル線であるc線(656.3nm)やF線(486.1nm)における屈折率です。

(**)転移点(Transformation Temperature; Tg)は、ガラスが剛性状態から粘弾性状態に転移する温度を差し、使用上限温度の目安になる値として次のように利用されます。

[ Tg-300℃]:長時間使用において、超えてはいけない温度
[ Tg-250℃]:短時間使用において、超えてはいけない温度
[ Tg-200℃]:使用時に絶対に超えてはいけない温度

■光学ガラスの記述(コードナンバー)
本カタログでは、ガラスの屈折率とアッベ数を表す記述を、MIL-G-174の規格に基づき掲載しています。一例として、N-BK7のガラスの場合は、屈折率nd=1.517、アッベ数Vd=64.2であることから、517/642と記述しています。
 
本カタログに掲載された光学部品には、非常に多くの光学ガラスが使用されています。どの硝材も異なる光学特性を有するため、その選択は時に重要となります。ガラスの屈折率ndやアッベ数Vdは特に頻繁に用いられるデータです。なお多くの光学ガラスメーカが、殆ど等しい光学特性を持ったガラスを独自の呼称で製造・販売しております。当社では光学部品製造時に迅速なガラスの調達が出来るよう、これらのガラスを同一と見なして、複数のガラスメーカからの材料を調達しています。ガラスメーカの違いにより光学部品の性能に影響が出ることはまずありません。

レンズ系による光学的性能の違い

レンズを用いた光学系(レンズ系)は、全て次の3種類のデザインに大別することができます。単位共役比デザイン(有限系デザイン)、アフォーカル系デザイン、及び無限共役比デザイン(無限系デザイン)です。
本カタログでは、レンズの形状別に様々なタイプのレンズをご用意しています。平凸レンズや両凸レンズに代表される単レンズ、そしてアクロマティックレンズに代表される貼り合わせレンズ(色消しレンズ)がそれです。これらのレンズは全て、1枚、あるいは複数枚使用により、前述の3種類のデザインを構成することができます。下記チャートは、各レンズでこれら3種類のデザインを構成した場合に得られる光学的性能の優劣等の目安を表したものです。
▼チャートの見方
各レンズにより構成されたデザインを評価するファクタとして、低Fナンバー、多色性、視野効率の3項目を評価基準に設定しています。
評価は★マークによる5段階評価です(★=劣、★★★★★=優秀)。

■低Fナンバー:
Fナンバーが低い条件の時(光を取り込む径が大きい時、あるいは開口数NAが高い時)の集光能力。低Fナンバー用途で使用できるレンズを(★★★★★)で評価。

■多色性:
多色光照明(白色光照明)に対する集光能力。レーザーやLED等の単色光源とは異なり、多色光照明の場合は色収差の有無がレンズ性能の評価基準となります。多色光照明においてフィルタを使わずに有効に機能するレンズを(★★★★★)で評価。

■視野効率:
大きなサイズの光源(あるいは物体)に適応することのできる能力。あるいは大きなサイズのセンサ(あるいは像)に適応する能力。アフォーカル系デザインでは広い画角に対応できる能力を指します。大きなサイズに適応するレンズを(★★★★★)で評価。
 
1.単位共役比デザイン(Finite Conjugate Design)
無限遠にない、有限位置にある物体からの光を、光学系を通して別のある1点に集光するようなデザインを指します。イメージング用途において、大抵のカメラ用レンズ製品は、この単位共役比デザインに該当します。有限位置にある物体(被写体)の視覚的情報を、同じく有限位置にあるカメラのセンサ面上に結像させるためです。

共通用途:カメラ撮像光学系、リレーレンズ光学系、イメージプロジェクタ

■ レンズ1枚構成:
レンズ1枚だけの最もシンプルな構成です。レンズ1枚だけで単位共役比デザインの光学系を構成する場合、 使用したレンズの焦点距離そのものが系の焦点距離になります。この構成のメリットは、投資コストの少なさと構成のシンプルさです。どのような焦点距離のレンズを選ぶかは、下記公式により求められます。

■ レンズ2枚構成:
2枚の異なる焦点距離のレンズ(焦点距離は同じでも可)を組み合わせることにより、集光性能をレンズ1枚構成から大きく改善することが可能です。この構成の場合、物体側に配備するレンズの焦点が物点となり、像側に配備するレンズの焦点が像点となります。レンズ1枚構成に比べると、構成はやや複雑になります。

■ 現実的な提案:
イメージング用途においては、アクロマティックレンズ等の貼り合わせレンズが一般に用いられます。貼り合わせレンズの使用により、高い像品質が得られるためです。平凸レンズや両凸レンズ等の単レンズは、非イメージング用途(例えば照明光学系など)に一般に用いられます。
非イメージング用途の場合、通常は高い分解能を求めないからです。
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2.アフォーカル系デザイン(Afocal Design)
無限遠からの光(「平行光」、あるいは「コリメート光」と呼びます)を所定の倍率を持った光学系により、異なるサイズの平行光として出射するデザインを指します。イメージング用途においての望遠鏡、またコンデンサ用途においてのビームエキスパンダがこのデザインに該当します。

共通用途:望遠鏡、レーザービームエキスパンダ

■ 凸レンズ2枚構成:
凸レンズ2枚による構成は、前段のレンズにより一旦像が結ばれることにメリットがあります。この像点に十字線スケールなどのレクチルを配置することにより、後段のレンズがレクチルと像の両方を集光します。反対にデメリットは、この構成により負の倍率になること(像が反転すること)です。そのため正立像が必要な場合は、プリズムの併用やリレーレンズを2枚構成の間に配置するといった工夫が必要になります。

■ 凸レンズ1枚と凹レンズ1枚による構成:
レーザービームエキスパンダは、大抵この構成でデザインされています。
凸レンズ2枚構成と比較した場合、この構成は光学系全体のシステム長を短くでき、また正立像が得られる点にメリットがあります。

■ 現実的な提案:
視野効率が改善できる点から、アクロマティックレンズ等の貼り合わせレンズが一般に用いられます。
なお接眼レンズにおいては、結像性能を改善する手段としてアフォーカル系デザインが採用されることがあります。
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3.無限共役比デザイン(Infinite Conjugate Design)
単位共役比とアフォーカル系の2つのデザインがミックスした内容で、無限遠にある物体からの光を1点に集光するようなデザインを指します。また可逆的に、有限位置にある物体からの光を無限遠(平行光)に変換するような光学系もこのデザインになります。イメージング用途においてのオートコリメータや顕微鏡用無限補正対物レンズ、またコンデンサ用途においてのレーザーフォーカシングがこのデザインに該当します。

共通用途:オートコリメータ、光ディテクタ、無限補正対物レンズ

■ レンズ1枚構成:
無限補正対物レンズの例外を除き、一般的なケースにおいてレンズ複数枚構成は必要ありません。1枚構成で主に使用します。この時、使用したレンズの焦点が像位置になります。無限共役比デザインでの重要なファクタに、レンズの集光能力を定性的に表すFナンバー、また集光した光の分解能を定性的に表す開口数(NA)があります。個々の光学系によるFナンバーやNAは、下記公式により算出することができ
ます。

■ 現実的な提案:
レンズ1枚により、大抵の平行光のフォーカシング用途において良好な結果が得られます。
記号の説明
Hi, Ho Hiは像高、Hoは物高。どちらの高さも実際のサイズの半値(光軸からの高さ)で定義。またアフォーカル系デザインにおいては、レーザーのビームウエストの半値で定義。
I, O Iは像距離、Oは物距離。どちらの距離もレンズの主点位置(各々、後側主点と前側主点)からの距離で定義される。
Fi, Fo Fi, Fo:焦点距離。レンズ2枚構成の光学系において、Fiは像側レンズの焦点距離、Foは物側レンズの焦点距離を表す。
f 有効焦点距離。レンズ2枚構成の光学系においては、系全体の合成焦点距離を表す。
M 光学系の倍率。像の拡大/縮小、あるいは物体の投影の大きさを表す。
θ 光学系により受け入れられる、あるいは放射される光の錐角。全角表示で表す。
d レンズ2枚構成の光学系において、2枚のレンズ間の距離。
f/# Fナンバー。光学系の光の集光能力(明るさ)を表す。
D レンズの直径。
αi, αo: 無限共役比デザインの光学系においての画角。半角表示で表す。

反射防止膜(Anti-Reflection Coating ; AR coating)

反射防止膜は不要な戻り反射を低減し、透過率を改善する機能があります。レンズには表面と裏面の二面がありますが、一面に対して生じる表面反射(フレネル反射)の量は、光が伝播する基板の屈折率(Index of Refraction)と、基板を取りまく周囲の媒質の屈折率に依存し、右式に示す理論式により求めることができます(垂直入射の場合)。
右式の理論式の一例として、屈折率nsが1.5の標準的光学ガラスの場合、noが空気の屈折率(=1)とするとR=(0.5/2.5)2=(0.2)2=0.04となり、一面当たりで4%の反射ロスがあることがわかります(両面で8%)。これを屈折率2.4のZnSeレンズで考えてみると、R=17%にもなり、両面で34%の反射ロスがあることがわかります。
反射ロスが数%程度と比較的少ないレンズでも、レンズ複数枚を用いる光学系の場合は、像コントラストの低下やゴースト像の発生にも繋がり、実用上無視ができなくなります。反射防止膜の付いた光学部品の採用は、これらの問題の改善に大きく貢献します。
▼可視域用反射防止膜
MgF2コーティングは、反射防止膜にMgF2(フッ化マグネシウム)の単層膜をガラス基板上に施した、当社の反射防止膜中、最も標準的なコーティングです。中心波長550nm(可視波長帯の中央の波長)でデザインされ、400-700nmの可視域全体における平均反射率を1.75%以下にまで抑えます(一面当たり)。

可視域マルチコーティングは、前述のMgF2シングルコートよりも更に低反射率の可視域用誘電体多層膜(マルチコート)です。425-675nmにおいて、平均反射率を0.4%以下にまで抑えます(一面当たり)。

可視-近赤外用マルチコーティングは、可視~近赤外の広帯域に対し、98%レベルの透過率を実現する誘電体多層膜(マルチコート)です。
▼紫外用反射防止膜
紫外用マルチコーティングは、250-425nmにおいて、1%以下の絶対反射率(一面当たり)を実現する誘電体多層膜です。

可視-紫外用マルチコーティングは、250-700nmにおいて、平均反射率を1.5%以下(一面当たり)に抑える誘電体多層膜(マルチコート)です。
特に350-450nmにおいては、レンズ一面当たり1%以下に抑えます。(一面当たり)
▼近赤外用反射防止膜
赤-近赤外用マルチコーティングは、可視域の赤色~近赤外の広帯域に対して99%レベルの透過率を実現する誘電体多層膜(マルチコート)です。600-1050nmにおける平均反射率を0.5%以下に抑えます(一面当たり)。

近赤外用マルチコーティングは、近赤外域に対して98%レベルの透過率を実現する誘電体多層膜です。800-1550nmにおける絶対反射率を1%以下に、また750-800nmにおける絶対反射率を1.5%以下に抑えます(一面当たり)。増反射膜(Enhanced Reflectance Coating)
 

増反射膜(Enhanced Reflectance Coating)

増反射膜には、金属膜と誘電体多層膜があります。当社では5種類の金属膜を標準増反射膜としてラインアップしています。
どのコーティングも誘電体の保護膜が金属膜表面に施されており、金属膜自身の酸化による反射特性の劣化を抑え、膜自身の耐久性を向上させます。
またクリーニング作業も容易にします。
▼増反射用金属膜
アルミコーティング(Protected Aluminum)は、可視~近赤外の波長で使用される最も標準的な金属膜です。1/2波長膜の一酸化シリコン(SiO)が保護膜として施されます。平均反射率は400-700nmにおいて85%以上です。

反射強化アルミコーティング(Enhanced Aluminum)は、アルミの金属膜を適当な誘電体多層膜で保護することにより、450-650nmの可視光における平均反射率を95%以上に改善します。アルミコートに比べて価格は高くなりますが、可視域での反射率が総じて高いため、より高い反射率が必要な場合にはこちらをお勧めします。

UV反射強化アルミコーティング(UV Enhanced Aluminum)は、アルミの金属膜を適当な誘電体多層膜で保護することにより、紫外域での反射率をより高めます。250-700nmにおいて85%以上の平均反射率が得られます。

金コーティング(Protected Gold)は、近赤外~赤外において高反射率を望む場合に非常に効果的です。700-800nmにおいて 94%以上、また800nm-2㎛においては97%以上の平均反射率が得られます。保護膜にはアルミコート(上記)同様、一酸化シリコン(SiO)が用いられます。
なお金の機械的強度は特に低いため、手拭き洗浄の際は特にご注意ください。

銀コート(Protected Silver)は、500-800nm間で金属膜中最も高い反射率(98%)を提供しています。しかしながら、銀コートは曇りやすく裏面鏡用の増反射膜として用いるのが一番適しています。
 
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